🌕【なぜ月の裏は見えないの?】月の裏側の不思議に迫る❕

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月には「表側」と「裏側」があります。私たちは地球から、いつも同じ「表側」しか見ることができません。では、なぜ月の「裏側」は見えないのでしょうか?そして、表と裏にはどんな違いがあるのでしょうか?本記事は、そんな月の不思議に迫ります。

目次

なぜ月の裏は見えないの?

夜空に浮かぶ月は、私たちにとって最も身近な天体のひとつです。しかし、「月の裏側を直接見たことがある」という人はいません。それもそのはず。月は常に同じ面を地球に向けているからです。この現象は「潮汐ロック」と呼ばれます。

潮汐ロック

潮汐ロックとは、重力の引っ張り合いで天体の自転が公転と同じ速さになる現象です。

①重力で変形:地球の重力が月を少し引き伸ばし、地球側に膨らみ(潮汐膨らみ)ができる。
②回転が減速:この膨らみが地球に引っ張られ、月の回転がブレーキをかけられる。
③安定状態に:やがて自転と公転の周期がそろい、膨らみが常に地球を向く状態になる。

月の自転周期と地球のまわりを回る公転周期がぴったり一致しているために起こり、これが私たちが月の裏を決して直接見られない理由です。

月の表と裏、その違いは?

月の「表」と「裏」は、見た目も性質も大きく異なります。

表側(地球から見える面)

地球からいつも見えている月の表側は、暗くて平らな「海」と呼ばれる地形が特徴です。これは、巨大な隕石が衝突した跡に溶岩が流れ込んで固まったもので、比較的低地が多いです。クレーターもたくさんありますが、裏側と比べると少なく、アポロ計画の宇宙船が着陸したのもこの表側です。

裏側(常に地球と反対を向いている面)

一方、地球からは絶対に見えない月の裏側は、表側とはまるで違います。平らな「海」がほとんどなく、代わりにたくさんのクレーターがひしめき合っていて、ゴツゴツした高地が大部分を占めています。裏側の地殻は表側よりずっと厚いため、溶岩が流れ出すことが少なく、昔のクレーターがそのまま残っていると考えられています。

NASA / Lunar Reconnaissance Orbiter(LRO)撮影 

なぜこんなに違うの?

月の表側と裏側が大きく異なるのは、月が誕生した直後に起きたできごとによると考えられています。有力な説では、地球の強い重力や熱の影響、さらには巨大隕石の衝突などによって、月の内部構造や温度分布が偏ったとされます。

その結果、

●表側:地殻が比較的薄く、マントルからのマグマが噴き出しやすかったため、溶岩が広がって黒っぽい平原(海)が形成され、クレーターは少なく見えます。
●裏側:地殻が厚く、マグマが表面に届きにくかったため、衝突でできたクレーターが多く残っています。

表でまとめると、

世界初!中国「嫦娥6号」が持ち帰った月の裏側の砂の正体とは?

中国の探査機「嫦娥6号」は、世界で初めて月の「裏側の砂」を採取し、地球へ持ち帰りました。この試料は現在、大阪万博の中国パビリオンで特別展示されています。裏側の砂は、表側の砂といくつかの点で異なります。表側の砂は、長い年月の間に微細な衝突や温度変化で角が削れ、丸みを帯びています。一方、裏側の砂は非常に細かく、粒の表面が尖っていて硬いのが特徴です。さらに、水分量も表側に比べてかなり少ないことがわかっています。

表でまとめてみると、

大阪・関西万博の中国パビリオンでは、月の「表側の砂」と「裏側の砂」の両方が展示されています
中国の無人月面探査機、嫦娥5号、6号がそれぞれ持ち帰った月の土壌サンプルが展示されています
嫦娥6号が持ち帰った「月の裏側の土」。2024年6月に世界で初めて採取に成功
裏側の土は円球のケースに入っており、じっくり観察することができます

🚀再び注目される月

月の資源と氷の存在

近年、月が再び注目されている理由のひとつが、貴重な資源の存在です。特に関心を集めているのが、月の南極にある「永久影」と呼ばれる、太陽光が一切届かない極寒の場所です。探査機の観測によって、この永久影の中には氷が存在することが確認されました。極低温のため、太古からの氷が溶けずに保存されていると考えられています。この氷は、将来の月面基地で暮らす宇宙飛行士にとって、飲料水の供給源となるだけでなく、酸素やロケット燃料(水素と酸素)に分解して利用することも可能です。つまり、氷は宇宙開発において極めて重要な資源となります

「永久影」(太陽光がほとんど届かないクレーターの奥)に氷が存在しています(画像:NASA)

月の資源と各国の思惑

月には氷だけでなく、レアメタルや核融合発電の燃料候補とされるヘリウム3など、貴重な資源が存在する可能性があります。このため、アメリカ、中国、ロシア、日本をはじめとする多くの国が、月探査や開発計画を競うように進めています。

最近のニュースでは、アメリカが2029年末までに月面に原子炉を設置する計画を発表しました。これは、中国とロシアが進める月面原子炉構想への対抗でもあり、NASAはスケジュールを前倒しする姿勢を見せています。月面原子炉は、将来の月面基地や資源採掘のための安定した電力供給に不可欠な技術とされています。

💡 まとめ

今回ご紹介したように、月は単なる夜空に浮かぶ天体ではありません。月の裏側が見えない理由から、表と裏の地形の違い、そして資源の宝庫としての可能性まで、月には多くの謎と魅力が詰まっています。

現在、大阪・関西万博が開催されており、会期は2025年4月13日(日)から10月13日(月)までの184日間です。宇宙関連の展示では、中国パビリオンで月の裏側の砂が見られるほか、アメリカパビリオンでは月の石、日本館では火星の石が展示されるなど、見どころが満載です。宇宙に興味がある方は、ぜひこの機会に足を運んでみてください👋

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