みなさん、こんにちは。
宇宙にはどれくらいの銀河があるのでしょうか?最近の観測結果では、宇宙に存在する銀河は2兆個以上あるそうです。これは観測可能な領域での話であって、実際はさらに多くの銀河が存在すると言われています。天体写真で銀河や星雲を撮影していると、まったく同じものはありません。それぞれの星の特徴があり、それぞれの星の物語があります。今回の内容は「春の銀河」についてです。
春の銀河とは? – 春×天体写真の魅力
春の夜空には、天体写真家にとって魅力的な銀河が数多く存在します。黒眼銀河(M64)、クジラ銀河(NGC4631)、まゆ銀河(NGC4490)、ハンバーガー銀河(NGC3628)、紡錘状銀河(NGC4565)です。春の銀河はそれぞれ個性豊かで、撮影対象としても人気です。
使用機材と撮影条件
今回、使用した機材です。口径は200mm、焦点距離は1,400mm。バーティノフマスクを使用し、ピントを合わせました。ガイド鏡はZWOのミニガイド鏡を使用しました。このガイド鏡は、120mmと焦点距離が短いため、EdgeHD800での撮影は厳しいかなと思っていましたが、なんとか撮影できました。ステライメージにて画像処理。トリミングをしています。
【使用機材の詳細】
- 鏡筒:セレストロン EdgeHD800
- 赤道儀:ビクセンSXD2赤道儀
- カメラ:CANON EOS 6D
- オートガイド:ZWO ASI 120MM
- ピント合わせ:WilliamOptics バーティノフマスク
ピント合わせは「WilliamOpticsのバーティノフマスク 」を使いました。バーティノフマスクは、ピントの精度を大幅に向上させるため、天体写真では必須のアイテムです。透明なプレートにより、ピントの状態がより明確に判断でき、撮影中の精度を高めることができます。他社のものと、がっつり比較ができていないため、感想になってしまいますが、「WilliamOpticsのバーティノフマスク 」うぃ実際に使用してみると、とても明るくて、輝線も長く、ピントが合わせやすかったです。
撮影した銀河の解説
M64(黒眼銀河)
M64は銀河の前に暗黒帯があり、光を遮っています。ちょうどこの暗黒帯が人の眼に見えることから、別名「黒眼銀河」とも呼ばれています。黒い部分が三日月のようにも見えますのでどちらかというと、人の目というよりも猫の目っぽいですね。地球からの距離は約1,700万光年。M64はかつて他の銀河との衝突・合体の結果、現在の姿になったと考えられています。
NGC4631(クジラ銀河 )
NGC 4631は、地球から約3,000万光年の距離にあります。地球に対して、銀河が真横を向いており、その姿がクジラ(シロナガスクジラ?)に似ていることから「くじら銀河」とも呼ばれています。NGC4631のすぐ近くには小さなNGC4627があり、二重銀河を形成しています。NGC4631が「くじら」ような歪んだ形になったのは、NGC4627の重力によるものと考えられています。NGC4631の中心部では、スターバースト(短期間に大量の星が形成される現象)が発生しています。
NGC4490(まゆ銀河)
NGC4490はその形から、蚕(かいこ)の繭(まゆ)のような形に見えることから「まゆ銀河」と呼ばれています。とても奇妙な形をしていますね。NGC4490の隣にはNGC4485という別の銀河があり、相互作用のために、NGC4490(まゆ銀河)の腕が延びています。2つの銀河が正面から衝突したのではなく,かすめるようにすれ違うことで今の形になったと考えられています。
NGC3628(ハンバーガー銀河)
NGC3628は、約3500万光年の距離にあり、大きさは10万光年。ちょうど太陽系がある天の川銀河と同じ大きさです。地球に対して、銀河を真横を向いており、その形から「ハンバーガー銀河」と呼ばれてまます。ビックマックのような厚みのあるハンバーガーを想像してしまいますが、このハンバーガー銀河のハンバーガーはペチャンコです(笑)。銀河は通常、離れるにしたがって細くなっていますが、NGC3628は逆に膨らんでいます(わかりにくいかもしれませんが・・)。形がとてもユニークな銀河ですね。
NGC4565(紡錘状銀河)
NGC 4565は、地球からの距離は約4500万光年。中央部が少し膨らんでおり、とても細長い形をしています。銀河の形が紡錘形になっていることから「紡錘状銀河」と呼ばれています。よく見えるとグライダーを正面から見た形に似ていませんか?中心部のバルジの膨らみと、真横に走る暗黒帯、そして薄くなりながら、どこまでも伸びているところがとても興味深いです。
銀河の数と宇宙のロマン – 星を見て思うこと
宇宙には、2兆個以上の銀河が存在するとされています。それぞれの銀河には、数十億から数千億の星が含まれ、その中には生命が存在する惑星があるかもしれません。宇宙のどこかで、私たちと同じような生き物が存在しており、自分と同じように空を見上げているかもしれないなんて思うと、広大な宇宙に思いを馳せずにはいられません。