🎶【宇宙の音を聴く】惑星が奏でる驚くべきメロディー(ソニフィケーション解説)

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宇宙空間は真空であるため、音が伝わることはありません。しかし、「ソニフィケーション」と呼ばれる技術を使うことで、宇宙で収集したデータを音に変換し、私たちはその音を「宇宙の音」として聴くことができます。これにより、ハッブル宇宙望遠鏡、スピッツァー宇宙望遠鏡、チャンドラX線観測衛星などから得られたデータを基に、銀河や星団の「音」を体験できるようになりました。この記事では、ソニフィケーションの仕組みと、太陽系の惑星たちが奏でる音色の魅力について詳しくご紹介します。

目次

ソニフィケーションとは:データが音に変わる魔法

ソニフィケーションとは、画像や数値データなどの情報を、特定の規則に基づいて「音」に変換する技術です。NASAのプロジェクトでは、銀河や星団の画像データを音に変換する際に、画像の横軸を時間、縦軸を音の高さ、星の明るさを音の大きさに対応させています。つまり、画像の高い位置にある星ほど高音になり、明るい星ほど大きな音になるように設計されています。この技術によって、これまで視覚的にしか捉えられなかった宇宙の情報を、聴覚を通して体験することが可能になりました。

太陽系の音:各惑星が奏でるメロディー

太陽系の惑星はそれぞれ異なる特徴を持っており、その個性はソニフィケーションを通じて音として表現されています。以下は、各惑星の音を聴いてみたときの印象です。

太陽の音:穏やかなエネルギーの鼓動

太陽は強大なエネルギーを放出していますが、実際にソニフィケーションされた音は、意外にも静かで穏やかな印象を与えます。これは、NASAとESAの共同プロジェクト「SOHO」で取得されたデータを元に、太陽表面の振動が音に変換されたものです。その音は、強力な電波塔の近くにいるような、静かで不思議な感覚を感じさせます。

NASA | Sounds of the Sun(音量にご注意ください)

水星の音:磁場と太陽風の激しい衝突

水星の音は、NASAの探査機「MESSENGER」が捉えた電磁波を基にしたものです。水星の周りの磁場と太陽風が激しく衝突する様子を表現した音は、雷雨の中にいるような、強烈で荒々しい印象を与えます。

NASA|sound of mercury(音量にご注意ください)

金星の音:過酷な環境を伝える不気味な響き

金星の音は、過酷な環境を反映した低い、不穏な音です。高温の大気や強風、火山活動を背景にしたこの音は、まるで鉄の筒を引きずるような音で、金星の厳しい環境を伝えています。

NASA|sound of venus(音量にご注意ください)

地球の音:心地よい自然のハーモニー

地球の音は、気象データ、地震波、海流データなど、さまざまな自然現象を元に生成されています。この音を聴くと、なぜか心地よく感じることがあります。私たちが地球という環境に慣れ親しんでいるからかもしれません。

NASA|sounds of earth (音量にご注意ください)

火星の音:荒涼とした砂漠の風景

火星探査機「パーサビアランス」が記録した音は、乾いた風の音をリアルに捉えています。広大な砂漠の中にいるような静かで乾燥した風の音が、火星の荒涼とした風景を表現しています。

NASA|sounds of mars (音量にご注意ください)

木星の音:未知の世界からの呼びかけ

木星探査機「ジュノー」の記録した音には、プラズマの衝撃波や電子放出によるビープ音が含まれています。これらの音は、まるで未知の世界からの呼びかけのように感じられます。

NASA|sounds of the jupiter (音量にご注意ください)

土星の音:不気味な電磁波のうねり

土星探査機「カッシーニ」が収集した電磁波やプラズマ波を基にした音は、波打つ電磁波のうねりを表現しています。この音は、どこか不気味で神秘的な雰囲気を持っています。

NASA|sounds of saturn (音量にご注意ください)

天王星の音:機械的なうなり声

天王星の音は、NASAの「ボイジャー」探査機が記録したデータを基にしており、特に低周波数の音が強調されています。その音は、機械的で不気味な「うなり声」のように感じられることもあります。

NASA|sounds of uranus (音量にご注意ください)

ブラックホールの音:宇宙の深淵からの咆哮

ペルセウス座銀河団の中心にある超大質量ブラックホールから発せられる圧力波を音に変換したものです。元々は非常に低周波で人間の耳には聞こえませんが、57オクターブも音程を上げることで、私たちが聴くことができる音になります。その音は、宇宙の深淵から響く遠吠えのように、恐ろしくも神秘的です。

NASA | Sounds of the Black hole (音量にご注意ください)

天の川の音:銀河中心の幻想的な調べ

天の川銀河の中心にある超大質量ブラックホール「いて座A*(エースター)」周辺のデータを音に変換したものです。不規則ながらも幻想的な音色は、まるで美しい宇宙の調べを奏でているかのようです。

NASA | Sounds of Milky Way Center (音量にご注意ください)

まとめ:ソニフィケーションが拓く宇宙の新しい可能性

ソニフィケーションは、データを視覚的に確認するだけでなく、「音」を通じて宇宙を感じるという、全く新しい方法を私たちに提供してくれます。この技術の発展により、複雑な宇宙の情報がより理解しやすくなり、将来的には新たな科学的発見につながる可能性も秘めています。今後、私たちが新たに耳にする「宇宙の音」は、どのようなものになるのでしょうか。今後の発展が非常に楽しみですね。

【参考】 NASA|Sonifications

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