🕛️【レビュー】ビクセン ポーラメーターを使ってみた感想|ポラリエ・AP赤道儀がもっとラクに!

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ポータブル赤道儀で星空を撮影する際、毎回悩まされるのが極軸合わせです。特に北極星が見えない場所や、設営に時間をかけられない状況では、思いのほか手間取ってしまいます。

ビクセン ポーラメーターは、水準器・コンパス・傾斜計をひとつにまとめたアクセサリーで、アクセサリーシューに取り付けるだけで高度と方位の目安を素早く確認できるのが特徴です。

今回は、「ポータブル赤道儀 ポラリエ」や「AP赤道儀」の設置をよりスムーズに行うため、このポーラメーターを実際に使用してみました。本記事では、AP赤道儀に取り付けた際の使用感をもとに、良かった点と気になった点を整理して紹介します。

目次

ビクセン ポーラメーターの特徴

まずは基本的な仕様から見ていきます。ビクセン ポーラメーターは、赤道儀のアクセサリーシューに取り付けて使用するアクセサリーです。最大の特徴は、北極星が見えない場所でも極軸合わせの目安を付けられる点にあります。水準器・傾斜計・コンパスを一体化した構造で、設置時に必要な高度と方位を一度に確認できるのが大きな利点です。また、暗所での使用を想定し、コンパスには夜光表示が施されているため、夜間のセッティングも可能です。

主なスペックは以下のとおりです。

項目内容
重さ約100g
サイズ高さ7.7 × 幅8.5 × 厚さ6.4 cm
水準器気泡式
傾斜計5°単位(±70°以内)
コンパスオイル式、1°単位、夜光付き、EWSN表示、100ミル単位
動作保証温度−20℃〜+40℃
夜光表示があり、暗い場所でも確認しやすいです

使い方

使い方はとても簡単ですぐにセッティングできます。

  1. ポーラメーターを取り付ける
  2. 傾斜計で高度を合わせる
  3. 水準器で水平を調整する
  4. コンパスで北(N)の方向を合わせる

1.ポーラメーターを取り付ける

ポラリエやAP赤道儀にはアクセサリーシューが備わっており、ポーラメーターはこのアクセサリーシューに取り付ける構造になっています。

アクセサリーシューにポーラメーターを取り付けます。
しっかり奥まで入れます

2.傾斜計で高度を合わせる

ポーラーメーター本体側面にある「傾斜クランプ(ネジ)」を緩めて、傾斜計の目盛りにある矢印を、使用地の角度に合わせます。以下は、各地域におけるポーラーメーター傾斜計の目安ですが、傾斜計で細かく正確に合わせるのは難しいため、おおよその角度で問題ありません。

・北海道:43度
・仙台:38度
・東京:36度
・名古屋:35度
・大阪:35度
・広島:34度
・福岡:34度

傾斜計が各地域の傾斜計(緯度)になるように調整します。

3.水準器で水平を調整する

三脚の脚の長さを調整して、ポーラーメーター上部にある水準器の気泡が中央の円の中に入るようにします。

気泡が中央の円の中に入るよう調整します

4.コンパスで北(N)の方向を合わせる

三脚全体、または雲台を動かして、コンパスの針が「N(北)」を指すように向きを調整します。

「N(北)」を指すように調整。目盛りが安定するまで少し時間がかかる場合があります
AP赤道儀の場合、微調整は「方位微動ツマミ」で行うと便利です

さらに精度を上げるには

東京周辺でポーラーメーターを使用する際、コンパスの「N」にそのまま合わせると、実際の真北からわずかにずれてしまいます。これは、コンパスが示す北が地理的な北である「真北」ではなく、地磁気に基づく「磁北」を指しているためです。磁北と真北の間には地域ごとに異なるずれがあり、これを「磁気偏角」と呼びます。

東京周辺では、磁北は真北よりもおよそ7度ほど西側にずれているため、コンパスの「N」に正確に合わせて極軸を調整すると、結果として極軸はやや西寄りになってしまいます。そのため、実際の設置作業では、コンパスの「N」よりも少し東側に振って調整することで、より真北に近づけやすくなります。なお、ポーラーメーターは極軸を大まかに合わせるための補助的なツールなので、必ずしも厳密な角度調整を行う必要はありません。

・北海道:約 9°
・仙台:約 8°
・東京:約 7°
・名古屋:約 8°
・大阪:約 8°
・広島:約 8°
・福岡:約 8°

東京周辺の地域では、コンパスNから約7度、東にずらすと真北に近づきます

撮影における実用性の評価

実際にポーラーメーターを使って星空撮影を行った結果、撮影スタイルによって向き・不向きがはっきり分かれると感じました。広角レンズを使った撮影では特に問題はなく、星の流れもほとんど気になりません。星景写真の撮影においては、十分に実用的で、有効だと感じました。また、短時間露光であれば、星が流れることもなく、許容範囲内の精度が得られました。

一方で、焦点距離の比較的長いレンズや望遠鏡(例えば200mm以上)を使用する場合や、数分以上の長時間露光では、極軸のズレが目立ちやすくなりました。このような条件では、ポーラーメーター単体での極軸合わせには限界があり、やや心もとない印象を受けました。

総合的に見ると、広角レンズによる星景写真や、短時間露光を前提とした撮影であれば、ポーラーメーターは十分に実用的なアイテムです。手早く設営したい場面や、北極星が見えない環境では、極軸合わせの目安を素早く作れる心強いサポート機材になりそうです。

極軸望遠鏡からみた精度

ちなみに、ポーラーメーターで極軸を合わせたあとに、念のため極軸望遠鏡で北極星の位置を確認してみました。その結果、やはり正確な極軸合わせと比べると、北極星の位置は大きくずれていました。同じ条件で何度かポーラーメーターによる極軸合わせを試してみましたが、そのたびに北極星の位置が大きく変わり、安定しませんでした。想定どおりではありますが、ポーラーメーターはあくまで目安を素早く作るためのツールであることを、改めて実感しました。

ポーラメータで北極星を合わせた後、極軸望遠鏡でその精度を見てみました
極軸望遠鏡の視野内には収まっていましたが、北極星からは大きく外れていました。

長所と短所のまとめ

◎ 良かったポイント

  • 北極星が見えない環境でも、極軸の目安を作れる
  • 極軸合わせにかかる時間が体感的に短くなる
  • 軽量かつコンパクトで、持ち運びの負担が少ない

△ 気になったポイント

  • 単体では精度は出せず、天体写真撮影では微調整が必要
  • コンパスの針が安定するまでに、やや時間を要する
  • 取付足がプラスチック製のため、設置状況によっては動いてしまうことがある
  • あくまで補助的な機材であり、極軸望遠鏡の代わりにはならない
ビクセン ポーラメーターの取付脚は簡易のものであり、しっかり固定できないのが残念

まとめ

ポーラーメーターは、「正確さ」を追求するための機材というよりも、極軸の目安を短時間で作ることを目的としたツールとして捉えるのが適していると感じました。北極星が見えない環境でも使用でき、設営にかかる手間を減らせる点は、実際の撮影において一定の利便性があります。

一方で、極軸望遠鏡で確認するとズレが生じていることからも分かるように、ポーラーメーター単体で高精度な極軸合わせを行うのは難しく、撮影条件によっては追加の調整が必要になります。特に、焦点距離の長い機材や長時間露光を行う場合には、より正確な極軸合わせが求められます。

広角レンズを用いた星景撮影や、短時間露光を前提とした撮影であれば、実用上は十分な精度が得られ、極軸合わせにかかる時間を短縮できる点は評価できます。手早く撮影を始めたい場面では活用できる機材と言えます。

 

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