2月23日(木)、月、木星、金星がほぼ一列に並ぶ珍しい天体イベントがありました。この天体ショーを撮影するにあたり、「ステラナビゲータ」というソフトウェアを活用して事前に写野角や構図をシミュレーションしました。事前準備をしっかり行うことで、撮影当日の混乱を避けることができました。この遠征では、「シグマ18-35mm F1.8 DC HSM」レンズと「タカハシFS60」のそれぞれの機材の特徴をいかし、月、木星、金星を撮影しました。
ステラナビゲータを使った構図のシミュレーション
「ステラナビゲータ」は、天体撮影における構図決定に非常に役立つ天文シミュレーションソフトウェアです。このソフトウェアでは、カメラの種類やレンズ情報を入力するだけで、写野角をリアルにシミュレーションすることができます。フルサイズカメラとAPS-Cカメラのセンサーサイズの違いにより、同じレンズでも画角が異なるため、事前のシミュレーションは非常に重要です。
例えば、同じ天体望遠鏡でも、カメラの性能の違い(フルサイズとAPS-C)よって見え方が違ってきます。例えば、ペンタックスK-1(フルサイズ)、ペンタックスK-3(APS-C)で撮影した際のM45(プレアデス星団)のシミュレーションです。 APS-Cは、フルサイズと比べてセンサーサイズが小さく、写真に写る範囲が狭くなります。つまり、APS-Cで撮影した天体は、約1.5〜1.6倍程度拡大されたように見えます。
撮影場所、撮影機材の記録
撮影場所と撮影機材は以下の通りです
<撮影場所>
・日時:2023年2月23日(木)18時から22時
・場所:妙義公園第2駐車場(群馬県)
・天候:22時以降、薄雲がかかる
<撮影機材:組み合わせ>
シグマ18-35mm F1.8 DC HSM
・ペンタックスK3
・Kenko PRO SOFTON-A
タカハシFS60
・レデュサー C0.72×
・ビクセンSXD2
・Canon 6D
「シグマ18-35mm F1.8 DC HSM」で撮る天体写真
「シグマ18-35mm F1.8 DC HSM」は、18-35mm通してF1.8というとても明るいレンズです。この明るさは、天体撮影において非常に有利で、光を多く取り込むことでシャッター速度を速く設定することができます。その結果、固定撮影でも星を点として鮮明に撮影できるのです。
このレンズは、。その明るさと描写力から天体撮影のみならず日常の撮影においても大変重宝しています。ただし、設計の複雑さからくる「重さ」と「大きさ」というデメリットもあります。しかし、これらのデメリットを補って余りあるほどの写真のクオリティには、撮影者として感動を覚えます。
ご購入の際、レンズマウントはお間違いのないように!
「シグマ18-35mm F1.8 DC HSM」で撮影した写真
まず「シグマ18-35mm F1.8 DC HSM」での撮影です。ステラナビゲーシヨンで、撮影写真をシミュレーションしてみました。ステラナビゲーションを使えば、簡単に写真角のシミュレーションができます。撮影カメラはペンタックスK-3(APS-C)です。
「オリオン座」も撮影してみました。
「タカハシFS60」で撮る天体写真
「タカハシFS60」は、色収差も少なく、解像度も高いため、とてもシャープな画像が得られます。。この遠征でも使用し、地球照や月、金星、木星の詳細を捉えました。地球照とは、太陽の光が地球に反射し、月の暗い部分を照らす現象です。これを「タカハシFS60」を使って鮮明に撮影することができました。
タカハシFS60で撮影した写真
星を見ることで感じる心の豊かさ
天体を見上げていると、広大な宇宙を感じ、心が豊かになります。例えば、M45(プレアデス星団)を眺めていると、その星々が実際には星の大集団であり、まだ若い青い星がガスに包まれていることを知ると、さらにその美しさに感動します。このように、星について学びながら観察することで、ただ見るだけでは得られない深い感動を味わうことができます。