こんにちは、ひなパパです。今回は、ペンタックスのアストロトレーサーO-GPS1を用いて、オリオン座を撮影した結果を徹底検証してみました。アストロトレーサー機能を活用することで、長時間露光でも星が流れることなく点像で捉えることができるというのは、天体写真家にとって非常に魅力的です。本記事では、その性能を実際にテストした結果や、O-GPS1を使用する上でのポイントをご紹介します。これからO-GPS2の購入を検討されている方や、既にO-GPS1をお持ちの方にとっても、役立つ情報をお届けできれば幸いです。
O-GPS1とは?機能と特徴
O-GPS1はペンタックスカメラ専用のGPSユニットです。GPS機能により、撮影場所、緯度・経度などの位置情報がわかり、カメラの手ぶれ補正機構を利用することで星を追尾することができます。2022年6月には、O-GPS1の後継機である「O-GPS2」が新発売されました。O-GPS1(旧機種)は、10年前の製品となりますが、今でも私の相棒として大活躍しています。
O-GPS1の仕様
■外寸:約49.0(幅)×約33.0(高)×約59.5(厚)mm
■重さ:約61g(アルカリ電池を含む)/ 約50g(電池含まず)
■電源:単4形電池×1本
■連続時間:アルカリ電池(約7時間)、ニッケル水素電池(約7時間)、リチウム電池(約12時間)
アストロトレーサーの準備:キャリブレーションの重要性
アストロトレーサー機能を最大限に活用するためには、キャリブレーション(調整)が欠かせません。キャリブレーションは、O-GPS1が正確な方位情報を取得するために行うプロセスであり、これを怠ると天体追尾が正確に行えなくなります。具体的には、メニューから「キャリブレーション」を選択し、カメラを3軸方向に180度以上回転させます。これにより、アストロトレーサー機能が正しく作動し、精度の高い天体撮影が可能となります。
オリオン座の撮影結果:アストロトレーサーの効果を検証
【検証内容】
*カメラ:ペンタックスKP
*レンズ:シグマ18-35mm F1.8 DC HSM
*撮影場所は、妙義公園(群馬県)標高720mm
今回、オリオン座の三ツ星を対象に、アストロトレーサーを使用して撮影を行いました。結果として、90秒までの露光では星が点像のままで、120秒では若干の星の流れが見られましたが、許容範囲内と言えるでしょう。
カメラの種類ごと、アストロトレーサーの追尾可能時間(目安)が書かれています。ペンタックスKPの追尾能力は、最長300秒まで可能。また、APS-Cで200mm(300mm換算)にも対応していると公表されていました。もちろん、目的の天体、レンズの焦点距離、撮影場所、高度によっても変わってきます。
関連データ:O-GPS1仕様(リコーイメージング公式)
オリオン座委の三ツ星を拡大してみました。
アストロトレーサーをOFFにした天体写真
O-GPS1を「ON」と「OFF」にした場合は、明らかに差が出ました。 以下の写真はアストロトレーサーを「OFF」にした時の写真です。
O-GPS1とO-GPS2の比較
O-GPS1とその後継機であるO-GPS2を比較すると、外観やサイズに大きな違いはありません。しかし、O-GPS2では受信可能な衛星の数が増え、より高精度な位置情報が得られるようになっています。また、キャリブレーション時間も短縮されており、より快適に使用できる点が特徴です。また、キャリブレーション時間が1分程度から数秒に短縮。多くの衛星をキャッチするためか、O-GPS1に比べて、1〜3時間程度、連続使用時間が減っている点は気になるところ。なお、機種によっては、カメラ内にアストロトレーサーが内蔵されているカメラがあります。この機種はO-GPS1やO-GPS2を装着することなく、アストロトレーサーの使用が可能です。購入の際は、適合機種など、事前チェックを!
リコーHP、 O-GPS1、O-GPS2の仕様より(赤字が相違点)
まとめ:アストロトレーサーの実用性と今後の展望
天体撮影は、天候や月齢などの条件に大きく影響されますが、アストロトレーサーはそのハードルを下げてくれる素晴らしいツールです。カメラとO-GPS1、三脚さえあれば、手軽に本格的な天体写真が撮影できるのは大きな魅力です。これからの天体撮影をさらに楽しみたい方には、ぜひ一度お試しいただきたい機能です。
【参考: O-GPS2】