天体望遠鏡を選ぶ際、観測対象や利用シーンに最適な機種を選ぶことは非常に重要です。決して万能な天体望遠鏡はありませんが、「セレストロン NexStar Evolution」シリーズは、多機能かつ使いやすい自動導入天体望遠鏡として、初心者から中級者まで幅広いユーザーに支持されています。この記事では、最新の情報を取り入れ、セレストロン NexStar Evolutionの特徴から選び方、使い方、撮影方法、そして持ち運びまで徹底的に解説します。
セレストロン NexStar Evolutionの特徴 – スマホで簡単操作の自動導入
セレストロン NexStar Evolutionの最大の特徴は、Wi-Fi機能を内蔵し、スマートフォンやタブレットの無料アプリ「SkyPortal」で操作できることです。これにより、面倒なコード接続は不要となり、スマートな天体観測が可能になります。
*SkyPortal:セレストロンが提供する無料のプラネタリウムアプリ。10万個以上の天体データベースを搭載し、天体の位置情報や解説などを確認できます。
内蔵バッテリーで約7時間の連続使用が可能(使用状況により異なります)な点も魅力です。アライメント(初期設定)を済ませれば、アプリで観望したい天体を選ぶだけで自動的に望遠鏡が目標を捉えてくれます。赤道儀式のような複雑な極軸合わせが不要な経緯台式を採用しているため、初心者でも簡単に組み立て・設置できます。

多彩なラインナップ – 観測対象に合わせた選択
NexStar Evolutionシリーズは、口径と焦点距離の異なる4つのモデルがラインナップされており、観測対象や持ち運びのしやすさに応じて最適なモデルを選ぶことができます。
・NexStar Evolution 5:口径12.7cm
・NexStar Evolution 6 :口径15cm
・NexStar Evolution 8 :口径20cm
・NexStar Evolution 9.25:口径23.5cm
いずれのモデルも、月や惑星の観測はもちろん、星雲星団・銀河などの淡い天体まで幅広い対象を楽しめます。特に口径が大きいモデルほど、集光力が高く、より暗い天体まで観測できます。
私が購入した「NexStar Evolution6」の概要
■対物主鏡/有効径 : 150mm/シュミットカセグレン
■コーティング : StarBright XLTコーティング
■焦点距離(口径比F) : 1,5000mm(F10)
■分解能・極限等級 : 13.4等
■集光力 : 459倍
■鏡筒サイズ : 長さ330mm、外径152mm
■ファインダー : スターポインターファインダー
■プレート・バンド等 : アタッチメントレール(ビクセン互換)
■総重量 : 17kg

鏡筒交換と電子観望 – さらなる楽しみ方
NexStar Evolutionは、鏡筒を交換することで、様々な観測スタイルに対応できます。例えば、屈折望遠鏡のタカハシFS60などに交換することで、よりシャープな像を得ることができます。また、天体用CMOSカメラを取り付ければ、リアルタイムで天体の映像をパソコンに映し出す「電子観望」も楽しめます。
ただし、鏡筒やカメラのサイズによっては、架台と干渉する可能性があるため、特に天頂付近の観測時には事前に確認することをおすすめします。

スターポインターファインダー
目標天体を導入するためのスターポインターファインダーは、赤いLEDドットで目標を示すため、初心者でも簡単に操作できます。ドットの明るさも調整可能で、観測する天体の明るさに合わせて見やすく調整できます。


三脚の特徴
三脚はステンレススチール製で安定性に優れていますが、ある程度の重量があります。持ち運びには工夫が必要となるでしょう。三脚の「開き止め」はアクセサリートレイとしても機能し、アイピースなどの小物を置くのに便利です。

長時間使用可能なバッテリー内蔵
バッテリーはリチウムイオンバッテリーが内蔵されており、7時間程度の連続運転が可能(私はそこまで長く連続使用したことはありません)
DCケーブルをつなぐと、本体のセレストロンロゴの部分が赤くランプが点滅しますので、充電中かどうかわかりやすくなっています。また、USB充電ポートもあり、天体観測中にスマートフォンのバッテリー残量が少なくなってきたときなど、役に立ちそうです。

Wi-Fi経由でのスマホ・タブレット操作 – 簡単な接続手順
このNexstar Evolutionの最大の特徴は、WiFi経由でスマホやタブレットでコントロールができるところです。
【接続方法】
1.スマートフォンやタブレットにセレストロン無料アプリ「SkyPortal」をインストールします。
2.スマートフォンやタブレットの「設定」メニューを開き、WiFiオプションを選択します。
3.「Celestron-###」と名前の付いたアクセスポイント(SSID)を選択します。
4.「接続してアライン」をタップします。望遠鏡が今どの星に向いているかを認識させるためにアライメント(任意の明るい3つの星(基準星)を導入)という作業を行います。
5.アライメントが終了すれば、画面上の星をタップしてGOTOボタンを押せば即座に自動導入してくれます。

★Nexstar Evolutionをタブレットでコントロール。実際に動かしてみました。
【マニュアル】SkyPortal
追尾精度とハンドコントローラー – 好みに合わせた操作
NexStar Evolutionにはハンドコントローラーも付属しています。アプリ操作に慣れない場合や、より正確な操作を求める場合は、ハンドコントローラーを使用するのも良いでしょう。


ちょっとした配慮が嬉しい!
天体観測は暗い場所で見る機会が多いのですが、セレストロン NexStar Evolutionは、本体上部から赤色のほのかな明かりを照らしてくれるため、ちょっとした作業したい場合や接眼レンズを交換したい場合など、とてもありがたい機能です。また三脚の開き止め部分には、31.7mmサイズのアイピース置けるトレーを兼ねています。この機能はユーザー目線で考えられており、ちょっとした配慮ですが嬉しいです。




セレストロン NexStar Evolution 6で撮影した月・土星


NexStar Evolution 6の収納バックと三脚バック
本体と三脚は、ある程度の重さと大きさがありますので、持ち運びにはキャリーケースがあると便利です。メーカー純正の収納ケースは専用設計のため、耐久性や耐衝撃性は抜群ですが、価格が7万円前後と高価です。
そこで、私は色々検討した結果、「グリフィンランド ソフトキャリーケース Lサイズ」を購入しました。少し大きめですが、写真のように本体を収納することができました。また、三脚にはぴったりのバッグを見つけることができましたので、現在はその2つのバッグで持ち運びをしています。
【グリフィンランド ソフトキャリーケース Lサイズ】販売中止のようてす


【Manfrotto 三脚バッグ 90cm MB MBAG90PN】


まとめ – セレストロンNexStar Evolutionで宇宙への扉を開こう!
セレストロン NexStar Evolutionは、スマホ操作による自動導入機能、多彩なラインナップ、拡張性など、天体観測を始めるための魅力的な要素を多く備えています。初心者から中級者まで、幅広いユーザーにおすすめできる天体望遠鏡です。

