月といえば、私たちに最も馴染みのある天体です。月はとても明るく、満月の時は-13等級!この明るさなら、本だって読めそうです。月をよく見ると模様があります。月の黒っぽい部分は「海」と呼ばれており、場所によって「○○の海」という表現をされています。模様の違いは、岩石の種類にとって違っており、主に、黒い部分(海の部分)は「玄武岩」、白い部分は「斜長岩」で覆われています。この模様が人や動物に例えられ、いろんな表現がされています。ご存知の通り、日本では「餅をついているうさぎ」ですが、世界各地では月の模様は何に見えるのでしょうか?今回の内容は月も模様についてです!
月の模様って?🌕
月には模様があります。この模様はなぜできたのでしょうか。冒頭にも書きましたが、模様の違いは岩石の種類にとって違が見られます。
🌕斜長岩:白っぽく見える
🌕玄武岩:黒っぽく見える
月ができたばかりの頃は、ドロドロに溶けたマグマで覆われていました。少しずつ冷えて固まっていく過程の中で、軽くて斜長石は表面に浮かび、月の表面を作りました。また、その頃、多くの隕石が衝突して、大きなクレーターができました。このクレーターの割れ目から、玄武岩を含んだマグマがあふれ出して、クレーター内を埋め尽くしました。このように、岩石の種類や場所によって違いができたため、月の模様ができたと考えられています。
月の模様、日本では「餅をついているうさぎ」🐰
日本では、月の模様を見て、「月でうさぎが餅つきをしている」という話が定着していますが、もともとは中国から日本に伝わったこと考えられています。また、「月うさぎ伝説」という物語にも伝えられており、日本では「今昔物語」の中に収められています。少し悲しいお話ですが、ざっくり内容を解説します。
月うさぎ伝説
昔、あるところにウサギとキツネとサルがいました。ある日、空腹で倒れている老人を見つけました。3匹は老人のために食べ物を探しに行き、サルは木の実を集め、キツネは魚を捕まえました。しかし、特技のないウサギは一生懸命に頑張っても何も持って帰ってくることができません。心優しいウサギは、「私を食べてください」といって火の中に飛び込み、自分の身を老人に捧げたのでした。実はこの老人は神様だったのです。彼らの良い行いを見るために、彼らの目の前に現れたのでした。神様はうさぎの行動を哀れみ、月の中に蘇らせることにしたのです。
餅をついているうさぎ
日本では「餅をついているうさぎ」。よく見ると、うさぎがと臼(うす)杵(きね)を使って餅つきをしています。わかりやすいように絵を書いてみました。どうです?見えますか? 満月の日、外に出る機会があったら、ぜひ夜空を見上げ、「餅をついているうさぎ」が見えるかどうか確認してみてね!
世界では月の模様は何に見えるの?👀
南ヨーロッパ:カニ🦀
南ヨーロッパの海沿いの国々では、カニが片腕を上げている姿で描かれています。南ヨーロッパの国々は地中海など、海が近くにあり、「カニが大潮を招くように!」との思いからカニに結びついたのかもしれません。確かに大潮(満月の時)であれば、潮の干満の差が最も大きく、潮の流れが最も早くなりますので魚が釣れやすくなりますね。私はなぜか、カニが「イエーイ!」とピースしているようにも見えて仕方がありません(笑)
北ヨーロッパ:本を読むおばあさん📚
北ヨーロッパでは、「本を読むおばあさん」に見立てています。北ヨーロッパ(北欧)は1年を通して気温が低いため、特に寒い冬の間は外出を控え、暖炉にあたりながら、まったりと本を読んでいるようにも見えます。それに服装も厚着っぽいですね。
東ヨーロッパ:女性の横顔👧
東ヨーロッパでは、女性の横顔に見立てています。女性の横顔をイメージするには少し工夫が必要です。白っぽく見える部分が女性の横顔。黒っぽい部分が髪の毛になります(イメージしやすいように、目と口を書いています)。ティコクレーター(真ん中の右辺りにある大きなクレーター)をペンダントとして見立てれば、さらに女性らしさが引き立っているように見えます。
カナダの先住民:バケツを運ぶ少女👩
カナダの先住民は「バケツを運ぶ少女」が描かれています。頭にはカナダインディアンの「羽飾り」をしているようにも見えます。カナダは水が豊かな国。きっとバケツの中には水が入っているのではないでしょうか。それにしても私が書いた絵、ほんとヘタですね(泣)
南アメリカ:ワニ🐊
南アメリカでは、ワニに見立てています。南アメリカ(ブラジル)に流れる川といえばアマゾン川。アマゾン川にはワニは生息しています。長年の人々の生活の中で、ワニが「力強さ」や「恐ろしさ」を象徴する存在として認識されていました。それにしても、このワニの絵、ぜんぜん力強さもなく、まったく怖さを感じません(笑)
中南米:ロバ🐴
中南米では、「ロバ」が描かれています。このロバ、なんだか可愛いらしいですね。中南米では、ロバは農耕や交通手段に使われ、人々の生活の中において、重要な役割を果たしてきた動物です。その背景が月の模様に重ね合わされたのかもしれません。
アラビア半島:吠えているライオン🦁
アラビア半島では百獣の王、ライオンに見立てています。私が書いた、このライオン、変な生き物?になってしまいました(笑)。ライオンは、アラビアの人々の文化や伝説と関連し、ライオンの力強さの象徴として捉えていたのかもしれません。
月の模様は時刻によって向きが変わる🌕
月の模様の見え方は、場所や時間帯によって異なります。月は東から昇り、南中し、そして西に沈みます。下の図では、「月の出」「南中」「月入り」のそれぞれの時刻の月の模様が示されています。これを見ると、月の模様が回転しているように見えることがわかりますが、実際には月自体が変わっているわけではありません。地上から見ると、月が回転しているように見えるのです。例えば、「月の出」の時には、月の模様がうさぎが餅をついているように見えるかもしれませんが、「月の入」の時には、その模様が変わって見えることがあります。このように、月の模様の見え方は、時期や場所、時刻によって異なります。
月を見て思うこと😀
月は人類の歴史の中で重要な役割を果たしてきました。その模様は、地域ごとに異なる文化や伝統に溶け込み、人や動物に例えられ、さまざまな物語が生まれました。今後、どんな新しい物語が生まれるのか、とても楽しみですね。今回は月の模様についてお話ししましたが、地域によって見え方が異なることをぜひ楽しんでみてください。さて、みなさんは、どんな姿の月が見えますか?