ISS(国際宇宙ステーション)の撮影は、非常にスピードが速く、難易度が高いことで知られています。そのため、スムーズに追尾できる機材が必要です。今回紹介する「ガイディングハンドル」は、特にISS撮影において、その性能を最大限に活かすことができるアイテムです。
ISS撮影の挑戦:なぜガイディングハンドルが必要なのか?
ISSは地球を約90分で一周するため、その動きは非常に速く、手動で追尾するのは難しく、撮影となるとさらに難易度は上がります。ガイディングハンドルを使用することで、ISSの動きに合わせた柔軟な操作が可能になります。
PORTAⅡ用ガイディングハンドルの特徴
「PORTAⅡ用ガイディングハンドル」は、方向を大きく移動させることができ、ISSを追尾する際に非常に役立ちます。このハンドルのフリーストップ機能は、手を離した時にその位置に固定されるため、ISSのような動く対象に対しても使いやすいです。ガイディングハンドルを取り付ける際、ポルタ経緯台の調整が必要です。ネジを締めすぎたり、また、反対にネジを緩めすぎると動きが安定せず、ISSを追尾するのに手間取る場合があります。実際に動かしながらネ上下軸、左右軸の調整をしてください。
【販売店:国際光器】
https://kokusai-kohki.shop-pro.jp/?pid=84812974
【ガイディングハンドル詳細情報】
http://www.kokusai-kohki.com/products/newgh.html
ISS撮影の準備:機材の選定とセッティングのポイント
ISS撮影には、長焦点の望遠鏡が求められます。今回は、焦点距離720mm(F9)の屈折望遠鏡を使用しました。この望遠鏡の焦点距離であれば、ISSは小さく写るものの、逆に追尾しやすいと考えました。また、スカイウォッチャー のファインダーやビクセンのXYスポットファインダーを併用し、撮影に臨みました。
今回の撮影は、スカイウォッチャー のファインダー(6倍 30mm)とビクセンの XYスポットファインダーの両方を取り付けて試してみました。ビクセンの XYスポットファインダーは、等倍正立像でのぞくため、目標は探しやすい特徴があります。結論として、ビクセンの XYスポットファインダーでもスカイウォッチャー のファインダーでも十分に捉えることができました。ただ、通常のファインダーでは像が逆に見えるためコツが必要です。もちろん慣れればまったく問題ありません。ISSの撮影の場合、わずか数分の間に撮影しないといけないため、事前に練習して、操作に慣れておきましょう!
【撮影記録】
●場所:自宅近くの公園
●月齢:13
●天体望遠鏡:ビクセン80ED(F9)
●経緯台:ポルタ経緯台(PORTAⅡ用ガイディングハンドル設置)
●カメラ:CANON EOS Kiss X5(改造) / ISO1600、シャッター速度 1/1000、連写
ISSを撮影!
地球を約90分で1周、1日で約16周します。天体望遠鏡で追尾するのは一苦労ですが、工夫すれば撮影可能です。撮影には、大気の影響を少なくするために、できるだけ高度の高いとき(天頂付近)を撮影するようにしましょう。今回、撮影した画像はほぼ「点」に写っています。画像を拡大しいていくと、ISSの詳細が見えてきました。
ISSと飛行機の見分け方
ISSと飛行機は、夜空を横切る際に見分けるのが難しい場合があります。ISSは光の点が点滅せずにゆっくりと横切りますが、飛行機は光がチカチカと点滅します。この点に注目することで、ISSと飛行機の区別が簡単にできます。
まとめ
今回の撮影で、「PORTAⅡ用ガイディングハンドル」は、ISS撮影において非常に効果的であることがわかりました。今後、より高精度な望遠鏡を使用することで、さらにクオリティの高い画像が得られると考えています。ISS撮影に挑戦される方は、ぜひこのガイディングハンドルを活用してみてください。