今回は、ひすいこうたろうさんの本『幸せにならなくたっていいんだよ』をご紹介します。読んでいると、自然と夜空を見上げたくなるような、不思議な気持ちになります。星好きな一人の読者として、この本がくれる「心がふっと軽くなる感覚」を、宇宙を見上げる視点と重ねながらお伝えできればと思います。普段は宇宙や天体について書くことが多いこのブログですが、今回は少し趣向を変えて、『幸せにならなくたっていいんだよ』の書評をお届けします。
ひすいこうたろうさんってどんな人?
ひすいこうたろうさんは、新潟県出身の作家でコピーライター、心理カウンセラー。心理学をベースに日常を幸せに変換するメッセージを発信しています。代表作『3秒でハッピーになる名言セラピー』や『あした死ぬかもよ?』をはじめ、出版数は70冊以上。累計販売数300万部を超えるベストセラー作家として、圧倒的な実績を誇ります。その影響力は書籍の枠を超え、YouTubeチャンネル「名言セラピー」は登録者数75万人を超え、SNSでも高い支持を集めています。世代を超えて多くの人々に「生きる勇気」と「幸せへの気づき」を与え続けています。本書は作家活動20周年を記念して書かれた一冊で、物語仕立ての構成が特徴となっています。
物語のユニークな設定
物語の舞台は、宇宙の秩序を見守る「アトラス評議会」。ある日、銀河の白ウサギ司令官が「地球の幸福度が下がり、このままではあと10年しかもたない」と警告を発します。 地球を救う鍵は、人々の意識改革。そこで選ばれたのが、地球担当の銀河の執事役のヒスイ虎タロウ。彼に託された使命は、幸福度を下げている「39の思い込み」を見つめ直し、地球人に気づきを届けること。
その舞台となるのは、オリオン座の三ツ星のひとつ「アルニラム」にある秘密基地。そこから、なんと「ラジオ」を使って地球へメッセージを発信するのです。 その言葉は命令でも説教でもなく、ただ優しくこう語りかけること。「幸せにならなくたっていい」 「頑張らなくたって、あなたはもう十分」毎週金曜日、日本の皆さんに向けて配信されるこの宇宙ラジオ。果たして、地球の幸福度は上がるのでしょうか…?


書評
私たちは日々の生活の中で、「もっと頑張らなければ」「幸せにならなければ」と、気づかないうちに自分自身を追い込んでしまうことがあります。そして、「まだ足りないもの」や「できていないこと」に目を向け、自分に欠けている部分ばかりを数えてしまいがちです。
本書が伝えているのは、幸せは新しく手に入れるものではなく、すでに手元にあるものに気づくことだという考え方です。「心臓が動いている」「目が見える」「話せる」「ご飯を食べられる」「歩ける」・・。こうした当たり前の出来ごとを、年収1億円と交換できるだろうか、と問いかける場面は、私たちがすでにどれほど多くの豊かさの中に生きているのかを実感させてくれます。
残りの1%の不幸ばかりを見るのではなく、今ここにある99%の幸せに目を向けてみる。幸せは「なる」ものではなく、「気づく」ものなのだと投げかけてくれます。物語の中では、「嫌われてはいけない」「失敗してはいけない」「お金がないと幸せになれない」「いい人でいなければならない」といった、私たちが無意識に抱えている思い込みが登場し、それらを一つひとつ手放していく過程が描かれます。
そして章の最後には、ヒスイ虎タロウから、その内容に寄り添った音楽が紹介されます。実際に音楽が流れるわけではありませんが、曲名や歌詞を思い浮かべるだけで、不思議と胸がジーンと温かくなります。
ひすいこたろうさんの『幸せにならなくたっていいんだよ』。 一度はぜひ手に取ってほしい一冊です。

