今回は、私が愛用している天体望遠鏡「タカハシFS-60C」を紹介します。この望遠鏡は、とても軽く、コンパクト。どこへでも気軽に持ち運べるのが大きな魅力です。口径は60mmと小型ながら、タカハシならではの期待を裏切らないハイクオリティな光学性能が詰まっています。豊富なオプションアクセサリーも用意されており、眼視観測から本格的な天体写真撮影まで、幅広い用途に活用できます。この記事では、タカハシFS-60Cの特徴、アクセサリー、実際の使用感などを詳しく解説します。
主要な特徴
レンズ | 2群2枚 フローライト アポクロマート |
有効口径 | 60mm 全面マルチハードコート |
焦点距離 | 355mm |
口径比 | 1:5.9 |
軽さ、コンパクトさ、そして高性能
タカハシFS-60Cの最大の特徴は、次の三拍子が揃っていることです。
- クリアな視界:60mmとは思えないほど解像度が高く、星雲の細部や惑星の模様もくっきり。
- 持ち運びラクラク::全長約440mm、重さ約1.4kg。これなら、どこへでも気軽に持って行けます。
- フローライトレンズ:色収差がほとんどなく、シャープでコントラストの高い像。星の色もきれい。
自分好みにカスタマイズ!豊富なアクセサリー
FS-60Cは、アクセサリーが充実しているのも嬉しいポイントです。
ファインダー
ファインダーです。本体は6倍30mm。ファインダー脚は光軸調整ネジが3本あり、この3本で調整しながら光軸調整をします。ファインダーにおいてもタカハシらしいしっかりした作りとなっています。

鏡筒バンド
開閉式の鏡筒バンドで、鏡筒の着脱やバランス調整が容易です。バンド上面と架台接合部には1/4インチネジ穴が装備されています。

天頂ミラー&アイピースアダプター
タカハシならではの高品質なパーツを使用。接眼部は締め付け式リングで、アイピースをしっかりと固定できます。

天体写真撮影でのパフォーマンスを高めるアクセサリー
天体写真撮影には、これらのアクセサリーが役立ちます。
カメラ回転装置
構図調整が自由自在。。カメラを回転させても安定した固定が可能です。



レデュサー C0.72×
レンズ | 3群4枚 マルチコート |
焦点距離 | 255mm |
焦点距離 | 1:4.2 |
焦点距離を355mm(F5.9)→ 255mm(F4.2)に短くして、明るく広範囲を撮影できます。

フラットナー1.04×
レンズ | 1群1枚 マルチコート |
焦点距離 | 374mm |
口径比 | 1:6.2 |
四隅のイメージサークルまでほぼ像面を平坦化する補正レンズです。焦点距離355mm(F5.9 )→374mm(F6.2)となります。

エクステンダーCQ1.7×
レンズ | 1群2枚 マルチコート |
焦点距離 | 600mm |
口径比 | 1:10.0 |
このエクステンダーは1群2枚のバローレンズです。スペックは焦点距離が延びて、355mm(f5.9)→600mm(f10)となります。少し暗くなりますが、歪曲収差はほとんどありません。また、ねじ込み式となっているため、簡単に取り外すことができます。




FS60にエクステンダーCQ1.7×を取り付け、経緯台に載せて月を撮影しました。写真カメラはペンタックスK3です。薄雲がかかっているため、全体的にぼやけていますが、月の全体像を見るにはちょうどいい大きさです。

レデュサー、フラットナー、エクステンダー 使用時の写り方の違い
ステラナビゲーター12を使って、レデュサー、フラットナー、エクステンダー 使用時の写野をシミュレーションしてみました。
255mm(レデューサー使用時)
355mm(ノーマル)
375mm(フラットナー使用時)
600mm(エクステンダー使用時)




タカハシFS60Cで撮影した天体写真






おとめ座銀河団



延長フードで迷光対策&バランス調整
FS-60CB用延長フードは、迷光を防ぐだけでなく、バランス調整にも使えます。カメラや延長筒をつけると重心が偏りがちですが、このフードをカウンターウェイト代わりにすると安定します。


まとめ:FS-60Cは最高の相棒
タカハシFS-60Cは、小型軽量でありながら、眼視観測から天体写真撮影まで、幅広い用途に対応できる高性能な天体望遠鏡です。豊富なオプションアクセサリーと組み合わせることで、様々な観測・撮影スタイルに対応できます。価格は比較的高めですが、その価格に見合うだけの性能と満足度を提供してくれると思います。これから天体望遠鏡の購入を考えている方、既にFS-60Cをお持ちで更なる活用方法を探している方の参考になれば幸いです。

