🔭【手作り天体望遠鏡コルキット】パート2 ~観測・撮影のコツとおすすめアクセサリー~

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前回の記事では、手作り望遠鏡「コルキット」の作り方のコツをご紹介しました。今回は作ったコルキットを最大限に活用するための「使い方」のコツを徹底解説します。天体観測をより楽しく、快適にするためのヒントが満載です。ぜひ、この記事を参考に、コルキットでの天体観測をお楽しみください!

 

目次

天頂ミラー :天頂付近の観測を快適に

コルキットにはオプションとして天頂ミラーが用意されています。天頂(真上)付近の天体を観測する場合、望遠鏡を真上に向ける必要があり、無理な姿勢でのぞき込むことになり、首が痛くなってしまいます。天頂ミラーを使用すれば、光路を90度曲げることで楽な姿勢で天頂付近の天体を観測できます。

コルキット用の天頂ミラー
コルキットの装着するとこんな感じ
ゆるい場合は、セロテープを巻いて大きさを調整します。

コルキットを購入した際は、ぜひ、天頂ミラーも一緒に購入するようにしましょう。おすすめです!

【コルキット用 天頂ミラー】

屈折望遠鏡の見え方 – 上下左右が反転

屈折望遠鏡は、レンズを通して光を屈折させて像を結ぶため、像が上下左右反転して見えます。天体観望会などで「月の模様が逆になっているけど、どうして?」という質問を受けることがありますが、これは屈折望遠鏡の特性によるものです。天頂ミラーを使用すると、上下は正立しますが、左右は反転したままになります。

*屈折望遠鏡 → 「上下左右が逆」

*屈折望遠鏡+天頂ミラー → 「左右が逆」

コルキットのピント合わせ – 印をつけてスムーズに

コルキットで天体(月や明るい星など)にピントを合わせたら、接眼部にマジックなどで印を付けておくと、次回以降のピント合わせがスムーズになります。また、天頂ミラーを使用すると光路長が長くなるため、ピント位置が若干変わります。天頂ミラー使用時と未使用時で印の色を変えておくと、間違いを防ぐことができます。

昼間に遠くの目標物(建物など)でピントを合わせる方法もありますが、近すぎる目標物では実際の天体観測時にピントが合わないことがあるため、注意が必要です。

ピントが合ったら目印を付けておこう!
私は、天頂ミラーを付けた場合の目印(赤い線)と、付けない場合の目印(青い線)を付けて区別しています。

ファインダーの使い方 :目標天体を素早く導入

ファインダーは、望遠鏡本体の視野に目標天体を素早く導入するための補助的な小型望遠鏡です。コルキットは35倍の倍率のため、目標天体を直接視野に入れるのは難しいですが、等倍のファインダーを使用することで、比較的容易に目標を捉えることができます。

ファインダーを使用する際は、ファインダーから約15cm離れた位置から覗き込むようにします。ファインダーの設置位置は、利き目によって調整します。利き目が右目の場合はファインダーを左側に、利き目が左目の場合はファインダーを右側に取り付けると、接眼レンズを覗く際に顔がファインダーに当たるのを防ぐことができます。

(×)効き目が左、ファインダー位置が左側であれば、顔がぶつかってしまう
(〇)効き目が右であれば、ファインダーの位置は左側に設置
(〇)効き目が左であれば、ファインダーの位置は右側に設置

コルキット用三脚の選び方 – 安定性と携帯性を考慮

三脚は、素材、強度、大きさ、重さ、価格など、様々な要素によって種類が異なります。自宅に三脚がない場合は購入する必要がありますが、既にお持ちの場合は、まずその三脚に慣れてから、必要に応じて新しい三脚の購入を検討しても良いでしょう。おすすめの三脚としては、価格が手頃で機能性も十分な「Fotopro 三脚」などが挙げられます。

三脚の使い方

三脚を設置するときは、脚の間に体が入るようにしましょう。手前に1本の脚があると、観望の邪魔になりやすいです。また、足が三脚に触れると、せっかく合わせた天体が視界から外れてしまうこともあります。見えなくなったからといって、三脚の脚を伸ばしたり縮めたりすると不安定になりやすいので、三脚はしっかりと広げて、安定した状態で設置することが大切です。

(〇)2本の脚の間に体が入るように設置してください。
(〇)
(×)足が出前にあると観望しにくくなります
(×)脚の一部を伸ばしたり、縮めたりすると不安定になります。
(×)中途半端に広げると不安定になります。しっかりと広げて観望するようにしましょう!

応用編:三脚を天頂に向けるには

天頂付近を見る場合、三脚パンハンドルが脚にぶつかってしまい真上を向けることができません。その場合は

真上に向けようと思っても、パンハンドルと三脚があたってしまい向けることができない
テクニックとして、パンハンドル側にコルキットを向ける(前後逆にする)
すると天頂に向けることができる

便利グッツ(4点)

1.微動雲台 – 微調整で快適な追尾

地球の自転により、天体は時間とともに移動していきます。パンハンドルでの操作では微調整が難しいため、「微動雲台」を使用すると、天体を微調整しながら追尾することができ、快適な観測が可能です。価格はやや高めですが、おすすめの製品です。

強固な作りです
望遠鏡と三脚の間に設置します。

 

【参考】微動雲台

2.接眼レンズ スマートフォンホルダー

スマートフォンホルダーを使用すると、コルキットで手軽に月面などを撮影できます。ホルダーをコルキットの接眼部に固定し、スマートフォンのカメラレンズと接眼レンズの位置を合わせることで撮影が可能です。ただし、ホルダーの重量や取り付け方によっては、コルキットが不安定になる場合があるため、注意が必要です。

適合範囲(購入する場合はあらかじめチェックしてください)

スマートフォン取付側幅 :52mm~100mm

フィット接眼レンズ径:22mm-44mm

スマートフォンのカメラで、拡大撮影してみました。ピントが合っていませんが、クレーターのデコボコはわかると思います。

スマートフォンで撮影(トリミング)

【参考】接眼レンズ スマートフォンホルダー

3.スコープテック ユニバーサルクリップアダプタ

コリメート撮影(デジタルカメラと天体望遠鏡を間接的に接続して撮影する方法)を楽しむためのクリップアダプターです。スマートフォンにはクリップを、接眼レンズにはアダプターを取り付け、位置をカチッと合わせるだけで簡単に月を撮影できます。さらに、15mmから36mmまでのさまざまな外径のアイピースに対応できるのも魅力です

スマートフォンにクリップを挟みます
天頂ミラーを付けて使用すると、スマートフォンで画像確認しながら撮影できます。
実際に撮影した月
真ん中からずれていますが、木星とガリレオ衛星です

 

【参考】スコープテック ユニバーサルクリップアダプタ

接眼アダプター – 31.7mmアイピースを活用

コルキットの接眼部は24.5mm径ですが、接眼アダプターを使用することで、より一般的な31.7mm径のアイピースを使用できるようになります。31.7mm径のアイピースは種類も豊富で、より広い視野を得られるなどのメリットがあります。ただし、接眼アダプターを使用すると焦点距離が変わるため、ピントの再調整が必要になります。また、天頂ミラーと併用するとピントが合わなくなる場合があるため、注意が必要です。

【注意】

接眼アダプター(24.5-31.7)を取り付けると、焦点距離が変わるため再調整が必要です。また、天頂ミラーと接眼アダプターを組み合わせるとピントが合わなくなるのでご注意ください。

【参考】接眼アダプター 24.5-31.7

CMOSカメラでの撮影 – より本格的な天体写真に挑戦

接眼アダプターを使用してCMOSカメラを取り付けることで、より本格的な天体写真撮影に挑戦できます。ただし、カメラの重さで接眼部が動いてしまうことがあるため、しっかりと固定する必要があります。

アダプターとCMOSカメラの重さで、接眼部の筒が落ちてくるため、ネジで固定しました
中心より、後方部が重くなります。

セレストロン NexStar Evolution 6のファインダー台座にコルキットを設置して、接眼アダプター(24.5-31.7)+CMOSカメラを取り付けて、木星・土星を撮影してみました。

コルキットにCSMSカメラを付けるとこんな感じ
セレストロン NexStar Evolution 6のファインダー台座にコルキットを取り付けて、CMOSカメラで木星・土星を撮影しました
月面
木星。縞模様が見えます
土星。環が確認できます

まとめ – コルキットで星空探検に出かけよう! 

コルキットは、手作りならではの愛着と、手軽に天体観測を楽しめる魅力を持った望遠鏡です。この記事でご紹介したコツやアクセサリーを活用することで、より快適に、そして深く星空の世界を探求することができます。さあ、あなたもコルキットを手に、宇宙への冒険に出かけてみませんか?きっと、新たな発見と感動が待っているはずです。

コルキットをデコってみました♪
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