皆さん、手作り望遠鏡「コルキット」をご存知ですか?コンパクトで持ち運びやすく、手頃な価格で、しかも自分で作るという楽しさを味わえる、まさに優れものです。作った望遠鏡で月や星を眺めるのは、格別な体験となるでしょう。この記事では、コルキットの作り方のコツを丁寧に解説します。初めての方でも安心して組み立てられるよう、写真付きで分かりやすく説明していきますので、ぜひ参考にしてください。
コルキットは、以下のような方々に特におすすめです。
- 自分だけのオリジナル望遠鏡を作りたい方
- 月のクレーターや土星の環、木星の縞模様などを観測してみたい方
- 旅行先などで気軽に天体観測を楽しみたい方
- 本格的な天体望遠鏡を購入する前に、天体観測の感覚を掴みたい方
- 星に興味を持ち始めたお子様へのプレゼントを探している方
コルキットってどんな望遠鏡? – 手軽に宇宙を体験

コルキットは、手軽に組み立てられる手作りの屈折式望遠鏡です。コツさえ掴めば、30分程度で完成します。自分で組み立てた望遠鏡には愛着が湧き、名前を付けたくなるかもしれませんね。
コルキットの倍率は35倍。これは月面観測に最適な倍率で、クレーターをはっきりと見ることができます。満月も綺麗ですが、特に欠けている月を観測することをおすすめします。欠けている月は、太陽光が斜めから当たるため、クレーターの影が強調され、立体感が増し、迫力ある光景を楽しめます。
さて、ここから、作り方についての解説していきます。注文すると、次の写真のような箱で送られてきます。この箱もとてもコンパクト。あまりにも小さいので、これで本当に天体望遠鏡ができるの?と思ってしまいます。


まずは工作前の準備
組み立てを始める前に、以下のものを用意しておくと作業がスムーズに進みます。
🌟トレー:部品を整理するために使用します。
🌟ハサミ
🌟木工用接着剤:速乾性ではない、乾燥に少し時間がかかるタイプがおすすめです。
🌟セロテープ
🌟ウェットティッシュ:接着剤などが付着した際に拭き取ります。
🌟輪ゴム:ファインダーの仮固定に使用します。
🌟ビニールテープ(必要に応じて):補強などに使用します。

コルキットの箱の中身 – コンパクトな箱に宇宙が詰まっている!
箱を開けたら、まずは部品を確認しましょう。コルキットには丸い筒状の部品が多く含まれているため、勢いよく取り出すと転がってしまうことがあります。部品を紛失しないように、トレーを用意し、一つ一つ確認しながらトレーに入れていくことをおすすめします。






【ステップ1】接眼部の工作

これから接眼部の工作です。写真のAの部分の工作を行います。








【ステップ2】対物レンズ枠の工作

次に対物側の工作です。Bの部分を作ります。






【ステップ3】対物レンズ側の工作
黒い筒(先ほど作った対物レンズ枠y)と白くて長い筒を使います。


レンズについて
コルキットの工作で最も大事な工程です。くれぐれもレンズの表面には触れないように注意してくださいね!




レンズの凸面と平らな面の確認
レンズは、表側は凸で少し丸みを帯びており、裏側は平らになっています。レンズの表裏を逆につけると見えませんのでご注意ください。確認する方法として2つの方法があります。
【確認方法①】 レンズを動かし確認する

【確認方法②】 レンズの厚みで確認する


対物レンズ枠と本体で挟み込みます。白い筒にレンズを載せますが、レンズの表(凸部 or レンズの薄い方)を上にして置いてください。





●押し込みが弱いとレンズがうまく固定されません。
●押し込んだ後は、一度振ってみてください。「カタカタ」音がしなければOKです
【ステップ4】接眼筒支えの工作

次に接眼筒の支えの工作です。Cの部分になります(Aで作った白い筒と白くて細い筒を使います)
緑のフェルトを取り付け
緑のフェルトを貼る場合、まず2枚を貼ってください。貼る場所は、10時10分の位置です(下の写真を参考に)。白くて細い筒を入れて、滑らかさを調整します。おそらく2枚でちょうどいい滑らかさだと思います(ゆるすぎず、きつすぎずという感覚です)






シボリ(小)を取り付ける
細い白い筒とシボリ(小)を使います。シボリの役割は、レンズや鏡に直接届かない不要な斜めの光が遮られ、内部反射や光の散乱を防ぐことができます。









紙帯を巻く
紙帯にホンドを塗って巻いていきます。固定するためにセロテープを貼ります。この紙帯は、接眼筒が奥まで行き過ぎないようにストッパーとしての役割も兼ねています。


【ステップ5】本体の組立て

本体を組み立てます。完成までもうすぐです。頑張りましょう!
シボリ(大)を取り付ける
シボリ(大)を取り付けます。シボリを取り付けた側を前(対物レンズ側)にします。


本体を組み立てる









よく見ると筒に白い線が入っています。左右の白い線に合わせるようにしましょう!性能には全く関係ありませんが、せっかく作る望遠鏡なので、少しでも見栄えをよくしましょう!
【ステップ6】 三脚プレートの取り付け
次に三脚プレートの取り付けです。もう少しで完成です。頑張りましょう!Dの部分になります。

三脚プレートの取り付けには3つ方法があります。
①ビニールテープ固定する方法
②接着剤で固定する方法
③結束バンドで取り付ける
①ビニールテープで固定
好きな色のビニールテープを使ってくださいね。テープはぐるりと3回程度、巻いてください。私が行っているコルキット教室では、楽しみにながら作ってもらうように子供たちにビニールテープの色を選んでもらうようにしています。


【テープを巻く際の注意点】
三脚プレートにも表裏があります。写真のように、ネジ穴がある方を見えるようにしてください。このネジ穴は三脚で固定する際に使用します。ビニールテープで巻く場合、真ん中で巻いてしまうとネジ穴げが使用できなくなります。ネジ穴を塞がないように気を付けて巻いてください。
②接着剤(ボンド)で固定
接着剤(ボンド)で固定する際は、三脚プレートの真ん中に接着剤を塗ると隙間ができるため、外側辺りに塗るようにしましょう!


③結束バンドで取り付ける

結束バンドで固定する方法もあります。結束バンドは強固に固定ができ、また取り外すこともできます。
【ステップ7】 接眼レンズのチェック!
次に接眼レンズのチェックです




【ステップ8】 ファインダーを取り付ける
最後の工作はファインダーの取り付けです。コルキットには、目標物を探すための小さな望遠鏡「ファインダー」が付属しています。ファインダーの取り付け方法は、接着剤、輪ゴム、結束バンドなどがありますが、最初は輪ゴムで仮固定することをおすすめします。ファインダーは、利き目で覗く位置によって取り付け位置が変わるためです。特に小さなお子様の場合、利き目が定まっていないことがあり、まずは輪ゴムで仮固定し、実際に使いながら最適な位置を見つけてから、接着剤や結束バンドで固定すると良いでしょう。


【取り付け方法】


🌟完成!!!
お疲れさまでした!

おめでとう!よく頑張った!




まとめ – 手作り望遠鏡で宇宙への扉を開こう!
今回は、手作り天体望遠鏡コルキットの作り方のコツについて解説しました。次回は、「コルキットの使い方」について詳しく解説します。そちらもぜひご覧ください。
自分で作った望遠鏡で星空を眺める感動は、きっと忘れられない体験となるでしょう。コルキットを通して、宇宙への興味を深め、天体観測の楽しさを体験してみてください。
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