天体撮影では、PCや赤道儀、カメラなど多くの機材を安定して動かすため、ポータブル電源が欠かせません。さらに、天体撮影では結露や熱といった環境への対策も同時に考えなければなりません。電源が不安定だったり、途中で切れてしまっては台無しです。こうした条件を踏まえ、実際に撮影現場で「Anker Solix C800 Plus Portable Power Station」を使用し、その性能を天体撮影の観点からレビューしていきます。
Anker Solix C800 Plus Portable Power Station を紹介
Anker Solix C800 Plus Portable Power Station は、天体撮影に必要なポイントをしっかり押さえたポータブル電源です。特徴を列挙すると、
①余裕の高出力:中容量768Whでありながら、1200Wという高い出力を実現。PCや赤道儀など、多くの機材を同時に、そして安定して稼働させ続けることができます。
②急な遠征でも安心の急速充電:通常モードなら、なんと約90分でフル充電が可能です。急に天候が良くなり、慌てて遠征に出かけることになっても、すぐに準備が整います。
③冬の寒い夜にも強い設計:ポータブル電源は寒さに弱いものが多いですが、このモデルは-20℃から40℃までの広い動作温度に対応。特に冷え込む冬場の天体撮影でも、性能を落とさずに使えます。
④機材が多い天体撮影に最適:出力ポートが豊富に揃っています。AC電源が5口、USB-AとUSB-Cがそれぞれ2口、さらにシガーソケットも1口。複雑になりがちな機材のケーブルも、これ一つでまとめて接続できます。
⑤長く安心して使える高耐久性:3,000回以上の充放電サイクルに対応したリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリー採用を搭載。長く愛用でき、買い替えの心配が少ないのも大きな魅力です。
⑥スマホで簡単に状況確認 専用アプリを使えば、わざわざ電源本体まで行かなくても、スマホから電力の残りや出力状況を簡単に見ることができます。
⑦暗闇の作業を助けるライト:伸縮式のポール付きライトが本体に付属しています。暗い場所での機材の設置や片付けが格段に楽になり、夜間の緊急時にも照明として役立ちます。
⑧雨や結露対策も万全 別売りの防水アクセサリー(撥水カバー)を使えば、突然の雨や結露から本体をしっかり守ることができます。
特に、-20℃の低温下でも使用できる点は、冬の天体撮影では大きな安心材料です。ここまで低温になる場面は少ないものの、動作温度の幅が広いことは信頼性につながります。では特徴をもう少し詳細にみていきましょう!
サイズと取り回し
「Anker Solix C800 Plus」は、十分な電力容量を持ちながら、持ち運びやすさとのバランスが優れているモデルです。
●サイズ:幅約37.1cm × 奥行き20.5cm × 高さ25.0cm
●重量:約10.9kg
重量は約10.9kgと、片手で扱うにはやや重く、移動時には両手で持つ必要があります。しかし、私が所有する「EcoFlow RIVER 2 Pro」と比較して重いものの、より高い出力性能を備えていることを考えると、この10kgを超える重量は妥当だと評価できます。天体撮影に必要な高性能を優先するユーザーにとって、納得できる重さだと言えるでしょう。


ポート数
Anker Solix C800 Plus Portable Power Station は、豊富な出力ポートを備えており、さまざまな機器を同時に利用できます。
●ACコンセント ×5(最大出力1200W)
●USB-C ×2(100W対応が1つ、30W対応が1つ)
●USB-A ×2(各12W)
●シガーソケット ×1(最大120W)
このモデルはポート数が豊富なので、AC電源やUSB給電が必要な機器をまとめて接続できます。天体撮影のように複数の機材を同時に動かす場面でも、とても使いやすい設計です。近年は機材の性能向上に伴い、特に冷却CMOSカメラでは消費電力が増える傾向がありますが、この製品なら十分な容量で安心して動かすことができます。

バッテリー性能について
実際に天体撮影で使用したところ、赤道儀・カメラ・ノートPCを稼働させながら準備時間も含めて約半日使用できました。バッテリー残量は28%残っており、まだ余裕があると感じました。
ただし、天体撮影に必要な電力は機材や環境によって大きく変わります。冷却CMOSカメラは気温が高いほど消費電力が増えやすく、赤道儀は搭載する機材の重さ、PCは作業内容によって消費量が変動します。そのため、実際の撮影環境を踏まえて容量を見積もることが重要です。とはいえ、このモデルなら天体撮影でバッテリー切れの心配はほとんどないと感じました。

伸縮式ライト
このモデルは本体にライトと伸縮ポールが付属しています。収納時には自動で充電されるため、充電を忘れる心配がありません。ライトは照射方向や明るさを調整できるので、用途に合わせて使いやすい仕様となっています。天体撮影中は使用する機会はないかもしれませんが、機材の設置や片付けの際には周囲を照らせるため、作業がぐっと楽になります。


実際に使用してみると、「強」モードでは非常に明るく周囲を照らせますが、点灯時間はおよそ8時間ほどで、天体撮影中には明るすぎると感じる場面もあるかもしれません。一方で「弱」モードに設定すれば、光量を抑えながらも十分に手元を照らせ、一晩中使える点が便利です。
伸縮ポールを使うことでライトを高い位置に設置でき、広範囲を均一に照らせます。また、懐中電灯のように先だけをスポット照射することも可能で、状況に合わせて柔軟に使えます。




専用アプリ
Anker Solix C800専用アプリを使えば、本体ディスプレイの情報をスマホで簡単に確認できます。充電状態やバッテリー残量のチェックはもちろん、各出力ポートのオン/オフ操作も可能です。離れた場所からでも細かく制御できるので、とても便利です。


2種類あるAnker Solix C800
Anker Solix C800には、用途に合わせて選べる2種類のモデルがあります。
●Anker Solix C800 Plus Portable Power Station
専用ライトと伸縮ポールが付属しており、機材の設置や片付け、車中泊、暗所での作業時に照明として活用できます。
●Anker Solix C800 Portable Power Station
標準モデルで、ライトは付属していません。代わりにケーブル類をすっきり収納できるシンプルなデザインが特徴です。
両モデルには価格差があるため、用途に合わせて「照明も必要かどうか」で選ぶと便利です。

天体撮影以外での活用法
この程度の容量があれば、天体撮影だけでなく幅広いシーンで役立ちます。
🏕キャンプや車中泊
Anker Solix C800 Plusの魅力は、やはり1200Wという高い定格出力にあります。これだけのパワーがあると、アウトドアでは使えないと思っていた調理家電も気軽に持ち出せます。朝食やお茶の時間には電気ケトルでお湯をサッと沸かせますし、小型のIHクッキングヒーターを使えば簡単な料理も楽しめます。食後にはコーヒーメーカーで淹れたての香りを味わうこともできて、ちょっとした贅沢な時間を過ごるかもしれません。さらに車中泊で冷え込む夜には、電気毛布を長時間使えるので、ぬくぬくと暖かく快適に眠れるのも嬉しいポイントです。
🌀災害時
スマホやノートPC、Wi-Fiルーターもしっかり動かせるので、停電しても家族との連絡手段や情報収集が途切れる心配はなくなります。また、小型テレビで災害情報を確認したり、LED照明で足元を明るくして安全に過ごせるのも心強いポイントです。さらに、衛生用品も充電できるため、長引く避難生活でも清潔を保ちやすく、気持ちの負担を軽くしてくれます。冬場の停電では、電気毛布を長時間使って体を温められるのが本当にありがたく、電気ケトルでお湯を沸かせるのも大きな安心材料。温かい飲み物やインスタント食品があるだけで、非常時の心の支えになります。
まとめ
Anker Solix C800 Plus Portable Power Stationは、信頼性の高いAnker製品らしく安心して使えるモデルです。容量768Whと中容量帯の中では、サイズや重量はやや大きめですが、その分しっかりとした電力を確保できるため、撮影中に電源切れを心配する必要がありません。専用の防水バッグが用意されているのも心強く、夜露が多い屋外でも安心して使用できる点は大きな魅力です。天体撮影用のポータブル電源としても十分に候補に入る、頼れる一台だと感じます。


