アルビレオは、美しい二重星として知られています。望遠鏡でのぞくと、オレンジ色と青色の2つの星が寄り添うように輝き、その美しい色の組み合わせから「天空の宝石」と呼ばれています。この記事では、アルビレオの特徴や見頃の時期、観察のポイントなどを、初めての方にもわかりやすくご紹介します。
アルビレオとは?
夏の大三角は、わし座のアルタイル、こと座のベガ、そしてはくちょう座のデネブの3つの1等星を結んでできる大きな三角形です。夏の夜空の中でもひときわ目立つため、初めて星を探す方でも見つけやすいと思います。
アルビレオは、そのはくちょう座のくちばしに位置する3等星です。肉眼では1つの星として見えますが、望遠鏡で観察すると、オレンジ色と青色の2つの星が寄り添うように輝く、美しい二重星を楽しむことができます。





二重星アルビレオが魅せるサファイアとトパーズの輝き
宮沢賢治の代表作『銀河鉄道の夜』には、「アルビレオの観測所」が登場します。
「窓の外の、まるで花火でいっぱいのやうな、あまの川のまん中に、黒い大きな建物が四棟ばかり立って、その一つの平屋根の上に、眼もさめるやうな、青宝玉(サファイア)と黄玉(トパーズ)の大きな二つのすきとおった球が、輪になってしづかにくるくるとまはってゐました。」
賢治はアルビレオを、単なる星としてではなく、「青宝玉(サファイア)」と「黄玉(トパーズ)」という、二つの宝石にたとえて表現しています。これは、望遠鏡で見たアルビレオの美しい色合いを表現したものといわれています。
実際のアルビレオも、望遠鏡で観察すると、青みがかった星とオレンジ色の星が並んで見える、美しい二重星として知られています。そのため、作中の宝石を思わせる表現は、アルビレオの特徴的な色彩を連想させるものとして読むことができます。
宮沢賢治は、鉱物や宝石に深い関心を持っていたことでも知られていますが、『銀河鉄道の夜』には、こうした星や鉱物、宝石を思わせる表現が数多く登場します。アルビレオが「サファイア」と「トパーズ」という二つの宝石として描かれているのも、賢治らしい表現といえます。

アルビレオの二重星を観るには天体望遠鏡が必要
アルビレオの二重星を観るには、望遠鏡で観察する必要があります。肉眼では1つの星に見えますが、望遠鏡を使うと2つの星が寄り添うように輝いている様子を見ることができます。小型の望遠鏡でも十分に観察でき、青色とオレンジ色の美しい色の違いも楽しめます。

アルビレオは宝石以外に何に例えられているの?
アルビレオは「天空の宝石」と呼ばれるほど、美しい二重星。その美しい色合いから、さまざまなものにたとえられるいます。例えば、「仲良く寄り添う夫婦」や「恋人」のようだと表現されることや、まるで宝石を並べたような美しさから、「王冠を彩る宝石」に例えられることもあります。
こうした表現は正式な呼び名ではありませんが、アルビレオの美しさに魅了された人たちが、その印象を言葉にしたものです。見る人によって感じ方が異なるのも、この星の大きな魅力といえるかもしれません。
まとめ
夜空を見上げる機会があれば、ぜひアルビレオを探してみてください。夏の夜には空高く見え時間帯があり、光の少ない場所では比較的探しやすくなります。肉眼では1つの星に見えますが、天体望遠鏡を向けると、青とオレンジに輝く2つの星が美しいコントラストを見せてくれます。その姿は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に登場する「アルビレオの観測所」の情景を思い浮かべる方もいるはず。夏の夜空を眺める機会があれば、ぜひ一度、「天空の宝石」と呼ばれるアルビレオを探してみてくださいね✨️